4-3 蒙 / モウ / 若々しい愚かさ【卦辞・彖伝】
若者の愚かさは、
成功を所有しています。
私は、愚かな若者を探しません。
愚かな若者が、私を探し求めます。
一番最初の神託を私は彼に告げます。
もしも、
二度三度と私に尋ねるならば、
それは疑いです。
もしも疑うならば、
私は何も告げません。
ゆるぎない努力でさらなる先へ。
蒙、亨。匪我求童蒙。童蒙求我。
初筮告。再三瀆。瀆則不告。利貞。
YOUTHFUL FOLLY has success.
It is not I who seek the young fool;
The young fool seeks me.
At the first oracle I inform him.
If he asks two or three times, it is importunity.
If he importunes, I give him no information.
Perseverance furthers.
彖曰、蒙、山下有険。
険而止蒙。蒙亨、以亨行、時中也。
非我求童蒙、童蒙求我、志応也。
初筮告、以剛中也。再三瀆、瀆則不告、瀆蒙也。
蒙以養正、聖功也。
***
若さという時のなかで、
愚かさは道から外れてはいません。
ある人は、
若く愚かであるにも関わらず
成功するでしょう。
経験豊かな師と出会う機会を
与えられるでしょう。
そして、
師に対する正しい態度…
礼儀を持ち合わせています。
これが意味すること、それは…
まず何よりも先に、
自分自身が、自らの経験不足に
気付くべきであるということです。
そして、
師を探し求めなくては
いけません。
この謙虚さと、この好奇心なしには、
『あなたは必要な感受性を所有している』と
責任を持って約束できません。
その感受性とは、
師があなたの申し出を受け取るなかで、
それはあなたに対する師の敬意である
ということをあなたが感じ取れる力です。
なぜなら師は、敢えて
あなたに探し求められることを
待っていなければいけないからです。
つまりそれは…
師は、
みずから真心や愛情を示し、
みずから相手に尽くすことを、
敢えてしてはいけない。
待たなければいけない。
ということです。
何もしないでただ待つこと。
それは相手に対する深い敬意の表れです。
それを理解できる感受性のなかで、
あなたが心に決めた目指す思いを
師に言葉ではっきりと伝えるべきでしょう。
***
弟子の質問に対する師の答えは、
弟子が疑いや迷いや混乱を起こす
余地のないぐらい…
『明るくはっきりしたもの』
『間違いのないもの』であるべきです。
神託のようにあることを
当然のこととして期待します。
弟子がその答えを
受け取るやいなや…
不確かだった迷いは、
明らかとなり解決するように。
毅然とした態度で決断をする
土台の縁(よすが)となるように。
もしも弟子が疑い深く
愚かな質問を続けるならば、
それはただ…
師を苛立たせることだけの
間に合わせとなるでしょう。
師は、それに対して
沈黙し無視することでしょう。
それはちょうど神託が、
たった一度だけ答えを授けるのと
同じように。
疑いを意味する問いによって、
神聖な初めの気持ちに疑問を抱く
という愚かな行為に弟子を導くことを
はっきりと拒むことでしょう。
***
加えて、
ゆるぎない努力を授けます。
弟子が一つずつ順番に
目的を習得し自分のものとする日まで。
決してあきらめることのないように。
現実の成功は、
その揺るぎない努力のあとに
きっと続くことを確信しています。
そういうわけで、この卦は、
弟子と同じく師にも助言しています。
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