10-2 履 / リ / 道をふみ進む[行動]【概要】
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この卦の名前は、
二つの側面を意図します。
ひとつは、
自分を導く正しい道をふみ進む
という意味です。
父である天が、上卦です。
一番小さな娘の湖が、下卦です。
…これは、
もっとも高いものと、
もっとも小さいもの、
この間にある違いを示しています。
落ち着きと、
元気いっぱいなこと。
社会における正しい礼儀作法と、
人を思わず笑顔にする振る舞いのこと。
信頼することと、
頼ること。
もうひとつの意味は、
履(英語名:踏んでいる)という
卦の名前の文字通り…
何かを踏んづけることです。
小さくて元気いっぱいの兌が、
大きくて強い乾を踏んづけます。
楽しそうに後を追いかけて。
二つの根源である八卦 乾と兌、
その運動の方向性は上昇です。
そして事実(卦の形)は、
剛が柔を踏んづけています。
けれど易の書は、
このことについて言及していません。
その理由は、
誰の目にも明らかなこと
だからです。
ここ天沢履において、
柔が剛にぶつかることは
危険ではありません。
なぜならそれは…
兌の無邪気で可愛らしい
あどけなさの中で起こった
思いがけない出来事だからです。
ですから剛の人物は、
イライラしたり怒ったりしません。
なにごとも楽しく受け止めます。
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